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最終更新日:2012年02月01日
普通解雇とは、会社が作成・保管している就業規則に則っておこなわれる解雇です。
10名以上を雇用している会社では法律により就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出る必要があり、就業規則には必ず退職(解雇を含む)に関する事項を記載しなくてはなりません。
しかし、就業規則に記載されているからといって、法的に解雇要件を満たしているか否かは、そう簡単に判断できるものではありません。
以下では、就業規則に記載される代表的な普通解雇事案について、実際の判例を交えながら考えてみます。
能力不足を理由とした解雇
就業規則にはよくこんなことが書かれています。
「業務能力が著しく劣り、勤務成績が著しく不良な場合は解雇する。」
平成13年のエース損害保険事件(ヨ)21081では、業務能力不足を理由に解雇通知された労働者が解雇不服を申し立て、結果、解雇無効と判断されています。
この事件の背景には、会社側の労働者に対する業務上の配慮(適正部署への配置など)が欠けており、労働者が本来の能力を発揮できない障害を与えたのは会社であり、本件は解雇権の濫用に当たるとされたのです。
つまり、解雇通知する以前に会社は何らかの改善策を講ずるべきで、いきなり解雇では労働者の不利益があまりに大きいということです。
逆にいえば、幾度となく業務上の指導を受けたが全く改善されず、労働者本人にも反省心がないと判断されれば、解雇は成立となります。
勤務状況の不良による解雇
勤務状況の不良による解雇とは、欠勤・遅刻・早退などが他の労働者より多く、業務上支障があるときに通告される解雇です。
昭和61年の日産自動車事件では、2ヶ月半の間に回数として60回、時間数にして110時間30分におよぶ遅刻を理由とする解雇が有効であると判断されています。
本件のケースだと、上司の指示命令を無視し遅刻をし続けたこと、回数・累計時間数が他の労働者とくらべてもあまりに多いことが解雇有効の決定打となったようです。
障害・疾病による労務提供不能による解雇
就業規則上ではよく「精神または身体の障害もしくは私傷病によって、業務に耐えないと会社が判断した場合は解雇する」などと記されます。
昭和42年の日放サービス事件では、消化器系の病気をもつ労働者に対して「身体の障害により業務に耐えない」として解雇通知するも、無効と判断されています。
この判例では、会社と労働者の間の労働契約書にて、何度か就労場所が替わっていたり、業務内容についても特段の約定がないことなどが認められることから、労働者が真に業務に耐えない病状にあったとしても、配置転換や病気休職を命ずるのが妥当であると判断しています。
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