諭旨解雇とは

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最終更新日:2012年02月01日

「諭旨」とは、趣旨や理由をさとし告げるという意味ですが、諭旨解雇とは、労働者の責により生じた業務上の支障や損害について、「懲戒」つまり一方的に制裁を受けるのではなく、会社と労働者の間でじっくり話し合い、両者納得の上で解雇を受け入れるという意味になります。

懲戒解雇の場合は、退職金はおろか、30日前の解雇予告もなければ解雇予告手当も支払われない可能性がありますが、諭旨解雇であれば、労働者側に非があったにせよ、それまでの在籍期間、実績、会社への貢献度などから懲戒処分を免れ、退職金の受給も期待できます。

しかしここで注意すべきは、諭旨解雇をうたった解雇権の濫用事件も起こりうるという事実です。
諭旨解雇にまつわる判例を1つご紹介します。


諭旨解雇処分に対し、解雇権の濫用と判定された事例

【平成4年:日本週遊観光バス事件】
@ パチンコをしていて運転業務に従事しなかった労働者に対する諭旨解雇。
A 同僚との喧嘩により職場風紀を乱したとされる諭旨解雇。

@については、当会社の就業規則の懲戒事由に「所属長の許可なくみだりに長時間職場を離れたとき」とあり、当労働者がこの規定に違反したことは明らかですが、会社はこれに対し既に出勤停止5日間の処分を与えており、更に解雇処分を課すことは二重処分にあたり、解雇権の濫用であると判断されています。

Aについては、同じく就業規則の懲戒事由に「会社の風紀を害し又は秩序を乱したとき」とあり、これに該当すると認められますが、実際には喧嘩の直後に当事者の2名に対して何らの処分もされず、後日、当会社社長が仲介に入り、両者を和解させ、解決に至っていたため、これを解雇処分とするのは、社会通念上相当とはいえないと判定されています。 諭旨解雇


諭旨解雇処分といっても、懲戒の次に重いものであり、労働者が規律を違反したとしても、その程度や種類、その他事情を踏まえて、解雇相当となりえる場合以外は、諭旨解雇処分は許されるべきではない、というのが裁判所の見解のようです。

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